相澤 2016年3月から大会までは、山田幸浩さんに教えていただいたメニューでやっていました。その後は、鈴木雅さんのやり方を混ぜています。お2人のいいとこ取りですね。
①EZバーアームカール
50kg×3回、60kg×8回、75kg×5回……計8セット。チーティングを使って、思いっきり煽り挙げしているが、メイン75kgは、普通の高校生が扱う重量ではない。腕の日でもベルトをしているのが頷ける。そもそも、アップ開始時点で30kgである。
相澤 1セット5~8レップで、メインは3セットです。腕の日の最初の種目なので、高重量を扱うようにしています。去年、一昨年は、減量中に使用重量が落ちるのは当たり前という固定観念があったんです。でも今は、減量中でも、扱う重量は伸ばすという方向です。
②インクライン・ダンベルカール
12kgでアップ、この日のメインは24kg。これまた高重量である。
相澤 ベンチの角度は、毎回変えています。同じ刺激にならないようにするためです。
この辺り、鈴木雅からの影響がうかがえる。
③ロープーリー・ケーブルカール
相澤 ケーブルは負荷が逃げないのでやっています。1セット最低8レップです。
④シーテッド・オルタネイトダンベルカール
相澤 パンプアップが目的です。以前は軽い重量でやっていましたが、今は重量を求めています。
ここから上腕三頭筋のメニューとなる。
⑤スミスマシン・クローズドグリップインクラインプレス
相澤 弱点なので、三頭筋のほうが種目は多いです。山田さんの、肩の根元から生えているような、デカイ三頭筋に憧れています。
⑥ケーブルプレスダウン
フルスタック(このマシンでは90.7kg)に、2kgのダンベルを足して行う。初めてのフルスタックのときは嬉しかったことと思いきや、違った達成感の方が大きかったようである。
相澤 兄もフルスタックでやっていたんです。だから、嬉しいというよりも、「やってやったぞ!」という気持ちの方が強かったです(笑)。
⑦ケーブルフレンチプレス
弱点と語る三頭筋の中でも、長頭が弱いという認識である。肩から動かすことを意識して行っている。ロープにストラップを巻くのは、鈴木雅方式である。
⑧ライングエクステンション
相澤 鞭を打つように、肩から動かす山田さん式のやり方です。長頭の根元を狙います。三頭筋の中で、一番パンプするのが、この種目です。
⑩スタンディングダンベルカール&ハンマーカール
終了。ずっとノートをつけていたのが印象的だ。
相澤 ノートは、高1の2月からつけ始めました。大会の景品でもらったんですけど、兄から「書いた方がいい」と言われて、それが最初です。今では必需品ですね。1種目ごとに、時間を決めています。そうしないと、いつまでもやってしまうんです。ノートには、各種目の終了時間を記入しています。授業中よりもノートを取っていますね(笑)。
高い目標に向け、およそ高校生らしからぬ高重量を扱い、謙虚に教えを請い、そして自分を律する。ボディビル高校選手権3連覇を実現しようとする位置にあるのは、そうした不断の努力の賜物と言えよう。
次回は、相澤隼人が描く将来について、その言葉を紹介する。
取材・文/木村卓二
1999年10月21日生まれ。神奈川県出身
トレーニング歴 5年
大会成績
2014年神奈川オープンボディビル選手権 8位
2015年全国高校生ボディビル選手権 優勝
2015年日本ジュニアボディビル選手権 8位
2016年全国高校生ボディビル選手権 優勝
2016年日本ジュニアボディビル選手権 5位